臆病な自尊心と部屋とYシャツと私

音楽の事を主に書きます。

My Bloody Valentine ライブ@SONIC MANIA

 

夢のような時間だった。

現実を忘れ、いつまでもあの空間にいたいと思ってしまう

そんな時間だった。

 

マイブラのライブは、

全編を通して大音量だった。

情報によると110dbぐらいあったとか。

そりゃ、耳栓配られますね。

しかし、実際はそれほど耳栓が必要ない

モノだったと思う。

まあ、僕の耳が悪いだけかもしれないが。

 

隙間を塗りつぶすような轟音ギター、

さほど聞こえない漂うようなボーカル

タイトなドラムと骨太なベース

甘いメロディー、独特の浮遊感

 

僕が高校2年生の時、

初めてマイブラを聴いた時の

衝撃、感動がそこにはあった。

 

凶暴な音を出してはいるが、

それでいてなぜか安心感がある。

プロジェクターに映る、

サイケデリックな映像

午前2時スタートという時間帯

夢と現実の境界が曖昧になっていくような

不思議な感覚だった。

 

特に、ラストのYou Made Me Realize、

ノイズに包まれるというのはこんなにも

気持ちよかったのか

自分がどこにいるのかわからなくなるような感覚

意識がノイズで塗りつぶされて、

何も考えられなくなる。

10分弱、ひたすらノイズを聴くという

体験に体は震えた、物理的に。

先輩の話によると、

ペットボトルの水ではなく、

ペットボトル自体が震えていたらしい。

ヤバすぎ。

 

ライブが終わり、

人の流れに流されるまま

会場の外に出る。

どこか放心状態のまま、

ビールと中トロ丼を買い、

さっきまで見ていた

マイブラは本当に現実だったのかと

思ってしまう。

 

はっと目が覚めて

さっきまでのことは夢だったのかと

わかる感覚に似ている気がした。

 

終わった後、

先輩は思ったより音がパンクだった

と言った。

僕は、どちらかと言えば

サイケデリックアンビエント

と思った。

おそらく、マイブラの音楽は、

こうした様々な要素がごちゃ混ぜにされて

混沌とすることによって生まれるのでは

ないでしょうかと思いました。

 

未だ、残響が耳に残っている気がする

ほんの12時間前の出来事なのに

遠い昔のような感覚に陥る

滋賀から見に行った甲斐があった。

 

音の波の中を泳ぐようなあの感覚は、

たぶん他のバンドでは作り出せない。

また、マイブラが来日したら、

僕は行くことになるでしょう。

今日の夢にも出るかもしれませんね。

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